堕天使のパスポート

ストーリー


英国の首都ロンドン。大英帝国の伝統とポップ・カルチャーが共存するこの街の片隅には、ヨーロッパの他国やアフリカ大陸から、パスポートを持たずに渡ってきた不法滞在者たちや難民たちがひしめきあっていた。
トルコからやってきたシェナイ(オドレイ・トトゥ)も、その中の1人。
母親のように自由のない生き方はしたくないという思いから祖国の生活を捨ててきた彼女は、従姉妹のいるニューヨークへ脱出する日が来ることを夢見ながら、バルティック・ホテルのメイドとしてつつましく暮らしていた。
シェナイには、同じホテルのフロントで夜勤係として働いているオクウェ(キウェテル・イジョフォー)というナイジェリア人の同居人いた。ただ、夜勤係のため、2人がアパートで顔を合わせることはあまりない。
しかも彼は、アパートでもほとんど眠ることはなく、昼間はミニキャブの運転手として働いていた。
ある日、ジュリエット(ソフィ・オコネドー)の助言に従ってホテルの部屋をチェックしに行ったオクウェは、510号室で驚くべきものを発見する。
そこに違法な取引の匂いを嗅ぎつけた彼は、支配人ファン(セルジ・ロペス)に警察への通報を進めるが、ファンはまったく取り合わず、オクウェに口封じの金を握らせようとした。


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